突然、まじめな顔をして5歳児が尋ねる。
「おかあちゃんと○○は、どっちが先におばあちゃんになるの？」
彼女が聞きたいのは
「どちらの方が先に死ぬのか？」
ということなのだ。
だーいじょーぶ！
とひとこと言ってあげればいいことなのだけど
つい生真面目に
「おばあちゃんになるのはおかあちゃんの方が先だし
普通に行けば死ぬのも同じだけど、実際のところは
どうかわからないよね」
などと言ってしまうと、半泣きの5歳児は
「○○、からだがなくなっちゃうのやー」
と言う。
昨年は、曽祖父の葬儀に参列したし、
突然逝った大叔母が、仏間で横たわる姿を目にしている彼女は
「死」に対して、少し早熟なのかもしれないな、と思う。
やたらと恐怖心を植えつけるのはよくないが
自分の死を思うことができるなら
他人の命も大切に思えるのではないか、と
親としては、そんな願いを抱いている。
（いぬかい）