February 07, 2004

本質

100歳になる祖父のお見舞いに行きました。
年明けから体調を崩し、食事もままならない状態ですが、
私と娘が訪ねると、とても喜んでくれました。

さすがに耳も遠くなり、記憶なども少し混乱しているようで
娘を指差して
「おとうさんとは会ったことがあるんだっけ?」
と尋ねます。
私の父は、もう20年以上も前に亡くなったので、
もちろん娘に会ったことはありません。

そんな祖父なのに、私が行くと必ず、
「義父母さんは元気か。ちゃんと行っているのか」
と夫の両親の名前を出して尋ねてくれます。
そのたびに、少しだけ、厳粛な気持ちになるのです。

100歳のパワーを届けようと
その足で、いとうさんの病院にも伺いました。
お見舞いが重なって、少し疲れたいとうさんは
夢と現の間という感じでしたが、
それでも、私が失礼しようと
「それでは、また」
と声をかけると
意外なほど、はっきりしとした口調で
「しごと、がんばってね」
と言ってくれました。


人は、危機的な状況になったとき
それまで覆っていたものが全て剥がれ落ち
「地金」とも呼ぶべきものが出てくるように思います。

だからこそ
決して楽な状況ではないこんなときにでも
他人を気遣える祖父やいとうさんの前に立つと
果たして、自分だったらどうだろうか、と
いつでも問われているような気がします。

(いぬかい)

投稿者 collabo : February 7, 2004 09:47 PM
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